Mr.Children「シーラカンス」のベストテイクを決めたい!
・さて、今回の楽曲は、Mr.Children「シーラカンス」です。
・個人的ミスチルランキング、第10位(236曲中)です!
・1990年代アルバム曲部門でも2位(49曲中)となっています。
・僕、この曲大好きなんです。
<楽曲について>
・アルバム「深海」のリード曲であり、テレビCMにも使われました。
・イントロは、前曲「Dive」と繋がっています。ちょうどアコースティックギターの音を鳴らすタイミングが曲の区切り目になっていますね。
・アウトロも次曲「手紙」と繋がっています。「Dive」「シーラカンス」「手紙」の3曲がものすごく自然につながっているため、初めて聴いたときは1曲だと勘違いし、「この曲めっちゃ大胆に転調するな」とか思ってました。(笑)
・さて、イントロにはアコースティックギターが2本使われています。レコーディングではおそらく2本とも桜井さんが弾いています。ライブでは桜井さんとサポートメンバーの河口修二さんが弾いていました。なお、桜井さんが平然と弾くため分かりにくいですが、桜井さんのパートは難易度高いです。
・2011年のSENSEツアーで披露したときは、河口さんがいなかったので、田原さんがアコースティックギターを弾いている様子を見ることができます。また、田原さんはAメロ後のリフを弾くために、エレキギターに急いで持ち替えています。その時間を作り出すためか、JENが「ワン・トゥー・スリー・フォー」とカウントを取っています。
・とても印象的なリフは田原さんが弾いています。リフも音量大きめで、田原さんファンには嬉しい1曲ですね。その後、ベースとドラムも入って一気にロックになります。激アツ展開です。
君はまだ深い海の底で静かに生きてるの?
君はまだ七色に光る海を渡る夢見るの?
解釈
「シーラカンス」は、まだ僕の中にもあるだろうか?
「シーラカンス」は、まだ希望を捨てていないのだろうか?
・ここで問題になるのが「シーラカンス」とは何だ?ということです。
・結論から申しますと、「シーラカンス」とは「あるがままの心」であると考えられます。
・100万枚売れる曲を作るぞと意気込んていた頃の希望に満ち溢れていた心であり、
innocent worldで叫んだ「mr.myself」であり、「es」であり、「あるがままの心」です。
・「名もなき詩」のサビでは、「あるがままの心で生きられぬ弱さ」とあり、桜井さんはこのとき既に「あるがままの心」では生きていけない状態にあります。「mr.myself」と言っていたあの頃とは違う桜井和寿がいました。
・でも、「あるがままの心で生きようと願うから」「人はまた傷ついてゆく」のです。
・「あるがままの心」で生きていけないけれど、今ここに存在してしまう自分を「生きた化石」である「シーラカンス」に例えたのが最初だと考えられます。
・そして、曲作りを進める中で「あるがままの心」そのもの自体を「シーラカンス」と捉えるようになった、と考えるとこの曲のみならず、アルバム「深海」の歌詞全体を違和感なく味わうことができます。
ある人は言う 君は滅びたのだと
ある人は言う 根拠もなく生きてると
そして僕は微かに左脳の片隅で君を待ってる
・「君=シーラカンス=あるがままの心」の解釈でいいと思います。
・問題は「左脳の片隅で君を待ってる」の解釈ですね。
・右脳は直観、左脳は理論と言いますが、
今回は左脳なので、論理的に理屈っぽく考えるときにも、
ドキドキワクワクを忘れない「あるがままの心」が自分の中にあると微かに信じてる
といった感じでしょうか。ここの解釈はかなり難しいです。
僕の心の中に 君が確かに住んでいたような気さえもする
ときたま僕は 僕の愛する人の中に君を探したりしてる
君を見つけだせたりする
・僕の心の中には「住んでいた」と過去形になっています。今はもう「あるがままの心」がないことを実感しているようです。
・自分にないものを持つ人は魅力的に見えるものです。
・愛する人の無邪気な姿を見て、自分が失ってしまったものを持っている相手を魅力的に思っているのではないのでしょうか。
・この曲の歌詞には、桜井さんの個人的な心情が吐露されていると思われます。
・桜井さん以外のメンバーは、歌詞の方向性が大きく変わったことに気づきながらも、特に何も言わなかったそうです。
・田原さんは雑誌の取材に対し、以下のように答えています。
「シーラカンス」は、桜井の意思、生き方みたいなのが、バーンと見える。あるインタビューのときに「俺にはこのアルバムは分からない」と言ったら、桜井は「そうでしょうとも」と言った。
・さて、最大の見せ場であるアウトロのギターソロは、河口修二さんがスライドギターで弾いています。田原さんではありません。残念です。レコーディングでは桜井さんが弾いていると思われます。
・2011年のSENSEツアーでは、河口さんが不在のため、ついに田原さんのソロを聴くことができました。田原さんらしいサウンドに少しアレンジされていますね。
<ベストテイクはこちら>
この曲が演奏されたライブツアーは、
・REGRESS OR PROGRESS `96-`97
・POPSAURUS 2001
・ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2001
・I ♡ U(ツアー1本目の大阪ドーム公演(11/12)のみ)
・ap bank fes `10
・SENSE
以上の6つです。
・ap bank fesでは1曲目に披露されました。かなり貴重だと思うので、ぜひDVDに残していただきたかったですね。残念です。
・2011年のSENSEツアーを最後に、近年は演奏されていません。次のツアーでやってくれたりしないかなああ。
・個人的ベストアクトはREGRESS OR PROGRESS `96-`97です。数分前に「抱きしめたい」や「my life」をニコニコしながら歌っていたとは思えないほど、桜井さんの顔も声も死んでます。メンバーも暗い表情になっています。「深海」が好きな人にとっては最高の映像ですね。
・なお、DVD収録日は60公演近くやったREGRESS OR PROGRESS ツアーの最終公演であり、それと同時に活動休止前最後の大規模ライブなので、メンバー全員が複雑な思いであろうことが予測できます。そんなことも考えてDVDを見ると面白いかもしれないですね。
regress or progress '96-'97 tour final in TOKYO DOME [DVD]
- アーティスト:Mr.Children
- 発売日: 2001/06/21
- メディア: DVD
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<まとめ>
・ヘビィなロック曲で、田原さん大活躍。
・「シーラカンス」は「あるがままの心」のことを指している。
・個人的ベストアクトは、「REGRESS OR PROGRESS `96-`97」